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  • 執筆者の写真流山 さとうえみ

「まちが学校になる」が形に

こんにちは、流山のさとうえみです。

流山高等学園での授業がついに学校を飛び出し、まちへ!「まちが学校になる」状態とはどのようなものなのか。1つのシーンが見える形になったのが今回の本みりん研究所/machiminでの「特別支援学校の就業インターン」です。



就業インターンの受け入れに至るまで

本みりん研究所では、2018年4月のmachiminオープン当初から、流山市の産品である本みりんを主役にしたスイーツや、思わず試したくなるような本みりんの意外な使い方のレシピを生み出してきました。お菓子の専門家でなくてもチャレンジできる企画として、砂糖不使用のみりん51%over商品の販売も行ってきました。メディアにも何度も取り上げていただき、移住者の多い流山市でまちを知るきっかけのひとつとして活動してきました。

2020年の初め頃放映されたメディアを見て、「人の好き・得意・やりたい」と「まち」を掛け合わせた活動に共感して、代表の手塚研究員に電話をかけて下さったのが、千葉県立特別支援学校流山高等学園の当時の校長・堀子先生でした。そして2020年4月から、学校運営協議会の運営委員として参画、翌年4月からは佐藤研究員がみりんスイーツ作りの授業を流山高等学園にて行ってきました(詳しくはこちら)。

そんな中、1年生の生徒さんが就業インターンに行きたいと手を挙げてくれたのです。卒業後いきなり社会に放り出されるのではなく、学校から「まずは半歩、外に出て関わって実践して学ぶ」という就業インターンの中で、実際に社会で起こる思い通りにいかないことや失敗に遭遇し、それを乗り越えるため努力をする経験・乗り越えて認めてもらえる経験を重ねます。その後学校に戻り、また外へ出てきて……という過程を重ねながら、やがて社会へと出ていきます。生徒さんにとっても今回のmachiminでの就業インターンがはじめの一歩となりました。


1日限りのハンバーガー屋さん

当初の予定では、学校の授業で習ったみりんスイーツを、本みりん研究所で作り販売する予定でした。それが、インターンの約10日前に行われた生徒さん本人、担任の先生、保護者の方、と私たちとの顔合わせの時、「コロナの期間、家にいて料理をすることが大好きになった。特にハンバーガーとチーズケーキが得意。」という言葉をきっかけに「やるしかないでしょう!」と、インターンのコンテンツをがらりと方向転換。インターン最終日に、1日限りのハンバーガー屋さんを開店することにしました。人の「やりたい」が真ん中にあり、それに必要なことをみんなでやる。生徒さんだから、就業インターンだから、ではなく、これがmachiminの日常なのです。


■インターンの1週間
・月曜日は生徒さんが自宅で試作しレシピを持参。佐藤と企画会議をし「みりん照り焼きチーズバーガー」に決定。
・火曜日はmachiminのイラストレーター橋本とPOPと看板作り。
・水曜日はキッチンに入り試作と試食。それを受けて細かな味の調整や挟む順番を変えてレシピを決定。
・木曜日はパンを焼く、ソースの準備など。他にも当日の運用の工夫なども。
・金曜日のイベントの終了時間に合わせてハンバーガー屋さんを開店しました(取材・掲載いただいた記事はこちら)。



当初は、いつも学校でやっている製造・販売を、場所を変えてやってみる、という小さな一歩の予定でしたが、家で家族とよく作っていたハンバーガーを、場所も人も違うところで決められた時間内に作り販売するという大きな一歩に変わりました。とても大変で不安で難しい事ですが、それを超える「好き・得意・やりたい」という気持ちが何より尊いものだと改めて感じました。

machiminは「できた!」という喜びは本人だけのものではなく、周りの人にも伝播したり、次の人に力を貸す原動力になったりすると考えています。生徒さんの「やりたい」をまちで、ひいては社会で形にするべく、machiminスタッフも得意なことを活かしながら、緊張もしながらチャレンジした貴重な機会でした。教え、教えられる場であるmachiminだからこそ出来た就業インターンでした。私たちが得たものは、「本みりん研究所はただのお土産屋さん、お菓子屋さんにはならない〝まちの学校〟になっていくきっかけの1つの場所になれる」という確信です。

これからの発展について

学校では生徒さんの学びとしてみりんスイーツを製造・販売をしていますが、「生徒さんが作ったから」と買っていただくのではなく、「美味しいから」「ストーリーに共感できるから」と買っていただく為に、本みりん研究所の基準でクオリティーチェックをし、市場のレベルで授業をしています。生徒さんたちが作った作品がmachiminの店頭に商品として並ぶ日も近そうです。

たったひとりの事例が少しずつ広がり、学校がまちに開かれ、まちが学校になる。流山市なのでみりんを使ったみりんスイーツでしたが、地域産品を使った商品開発は全国どこでも出来ますね。特別支援学校の生徒さんだけでなく、子どもからシニアまで、誰もが思い切って外に出てやりたいことにチャレンジしてほしいです。

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